何が似合うかでなく、どう見せたいか。

ファッションのこだわりはありますか?


週末の午前中、美容院で髪を切ってきました。
美容師さんといろいろ話をしているうちに、
ファッション論の話に。


店長でもある彼は、


「自分は一流であるものと、どうでもいいものしか着ない。
 ファッションの中間層をすべて取り去った」


といいます。
ファッションの中間層とは、
ちょっといいTシャツとかGパンとか、
いわゆるフツーの格好で、人口的には最も多いゾーン。


たくさんあったスニーカーやジーンズは
最低限の数にして、捨ててしまったのだとか。
普段、近所へ買い物へ行く時、ゴミを捨てるときは
「どーでもいい服」
「Tシャツでどっちが似合うかなと
 悩むなんて時間の無駄。
 寝ていた方がいい」
なのだそうです。


一流を身につける時以外は、
まったく頓着しないようにしたのだそう。


両極をいく彼のファッションは、
普段は、磨かれた皮靴に細身のスーツ。
ネクタイにポケットチーフで、
どちらかとトラディショナルな雰囲気。
(男性のファッションを説明する
 ボキャブラリーが少ないですね。すみません)


そもそも、彼のファッション美学は
「靴」から始まったのだそうです。
職人が作ったその靴にあう靴下は? スーツは? 時計は?
そして、髪型は? という具合で。


そうすると、「あれもこれも」がなくなって
物欲がなくなるのだとか。
必要なものを買い足すだけ。


自分の軸をつくり、
他を切り捨てるいさぎよさが、
彼の際立った個性をつくっているのかと
話をしながらしみじみ思った私。


多分45歳くらいの彼は、
いつも背筋も伸び、
ファッションと彼のキャラクターが融合して、
おしゃれであり、
個性的な独特の雰囲気を醸し出しています。

個性という言葉の語源はペルソナ(仮面)ですよね。


それがパーソナリティ(個性)になった。
ペルソナは猫っかぶりになるという意味ではない。


何かに「なる」ということです。


何になりたいかは「好み」によります。


『多読術』(松岡正剛


髪を切ってもらいながら、
ファッションとは、自分を表現する一つの手段であり、
「何が似合うか」よりも
「どういう自分でありたいか」

のだと、再確認した次第です。


はてさて、自分はどうなのか。
どういう自分でありたいのか。
考えています。



【今日の1%】


洋服を買うときは
どんな自分でありたいか、ちゃんと考える。