今週の読書記録<7月-2>『グランズウェル』

木曜は読書記録の日。
今週読了したのは2冊でした。
(09年目標100冊。現在62冊)


2冊のうちの1冊に
かなりの時間がかかってしまいました。


そのてこづったのが今週の一冊、
『グランズウェル
 ソーシャルテクノロジーによる企業戦略』
です。
(シャーリーン・リー/ジョシュ・バーノフ著
 伊藤奈美子 訳)


ブログやSNSYouTubeなどが
ビジネスにも大きな影響を与え、
グランズウェル(大きなうねり)が起きています。
この全体像を、豊富な事例やデータとともに、
たずさわる人々の心理的背景をまじえながら、
考え方・行動の変化や対処法、
社内での活用方法などをまとめた本です。


普段の私なら“手に取りそうにない本”。
題名を見ても、
「グランズウェルって何?」という状態でしたから。
それを読んだのは、会社の人にすすめられたから。


「この本、面白いし、勉強になるよ」
と言われ
「そうなんですかぁ。そういう本も読んだ方がいいんでしょうね」
と答えたら、
「じゃ、貸してあげるよ」
と、私の手に・・・・・・。


ふ〜む、読むしかない。
なかなか読み進められなかったものの
結果的には、読んでとてもよかったです。


今、会社でWeb関係の仕事も増え、
イロイロと四苦八苦しています。


サイトをどう見せるか、
コンテンツは、何を加えたらいいのか、
それをどうしていくのか、
どうしたら喜んでもらえるのか、
小さなところ、ある意味「点」の中で
グルグルと考えていたように思います。


この本によって、オンラインツールの世界を
上から見渡せたような感じがしています。


訳者の伊東奈美子さんのあとがきに、
次のようにありました。

ソーシャルテクノロジーによって結ばれた人々は、
ブログで商品を語り、
ウィキペディアで企業を定義し、
サポートフォーラムで助け合うようになった。


カスタマーレビューは
商品の購入率に大きく影響を与え、
SNSではクチコミが新しいヒットを生み出している。
これは多くの人が
肌で感じている変化ではないだろうか。


この変化はアメリカや日本だけでなく、
世界中で進行しており、
その影響はあらゆる産業に及んでいる。


この“社会動向”を本書はグランズウェル(大きなうねり)と呼ぶ。
本書によれば、これは一過性のトレンドではなく、不可逆の変化だ。


本書の中で、重要なのは
「テクノロジーではなく、
 ネット上での人々の行動が根底から変わろうとしていること」とし、
グランズウェルを次のように定義しています。

グランズウェルとは社会動向であり、
人々がテクノロジーを使って、
自分が必要としているものを
企業などの伝統的組織ではなく、
お互いから調達するようになっていることを指す。

グランズウェルは「三つの力」の衝突から生まれた。
それは人間、テクノロジー、そして経済学だ。
(中略)
これら三つのトレンド
――つながりたいという人間の欲求、
  新しい双方向テクノロジー
  ネットの経済学 ――
が新しい時代の扉を開いた。


急速に拡大しているこの現象を、
我々は「グランズウェル」と呼ぶ。


この現象は単に存在するだけでなく、
猛スピードで進化しており、
企業の戦略責任者に
とてつもなく大きな課題を突きつけている。


グランズウェル戦略をたてる際は、
次の2つの質問から始まる4段階のプロセスに従う必要があるという。


<質問>
「顧客は、どんなテクノロジーを使う傾向があるのか?」
「自分の目的は何か?」


<プロセス>
P:人間(people)
O:目的(objectives)
S:戦略(strategy)
T:テクノロジー(technology)


うまくいく戦略の多くは次の5つのいずれかが目標になっており、
本書では、それぞれについて詳しく書かれています。
<5つの目的>
1.耳を傾ける(傾聴戦略):リサーチ、マーケティングや開発に利用
2.話をする(会話戦略):双方向的に自社のメッセージを広める
3.活気づける(活性化戦略):口コミの力を利用する
4.支援する(支援戦略):顧客が助け合えるようにする
5.統合する(統合戦略):顧客をビジネスプロセスに統合する


他にも書き留めておきたいことが
たくさんです。


正直、全てを理解できたわけじゃないし、
ちょっと疑問に思う点もありましたが、
とても勉強になりました。
素直に読んで良かったと思います。
会社の方には感謝ですね。
ありがとうございます。


そのままは無理でも、
ヒントをいくつかいただきました。


訳者のあとがきにも
次のように書かれています。
Webに関わるお仕事の方に、おススメです。

ウェブ2.0の先を見すえて、
行動を起こそうとしている
あらゆる企業のあらゆる職種の人々に、
行動のフレームワークとヒントを与えてくれるだろう。


ちなみに、この本は、
題名がわかりにくいので(私だけ?)
興味深く感じる方は多い本なのに、
少々、もったいない気がしました。


勉強することってたくさんありますね。


【今日の1%】


ススメられたら素直に読んでみる。