「出し惜しみをしない」ということ

「出し惜しみしない」というコトバが心に引っかかたのは、
脚本家であり作家である内館牧子さんのエッセイを読んだとき。



JR東日本の新幹線車内誌
トランヴェール』(08年10月号)に掲載されていたもので、
手帳には次のようにメモってありました。

  「出し惜しみしない」
   橋田壽賀子さん→ 内館牧子さん


詳しい内容は覚えていないけれど、
内館牧子さんは、「おしん」の脚本家である橋田壽賀子さんに師事。
橋田先生からの脚本を書くときにいただいたアドバイスが、
「出し惜しみをしてはいけません」


このシーンはここではもったいないから後に取っておこう、とは思わず、
そこで使う。次には、もっともっといいシーンを必死になって考える。
そうして、いい作品を作り上げていく、
というようなことだったと思います。



先日、ある方が「出し惜しみをしてはいけない」という話をされ、
改めて、心に突き刺さったという次第。
(私に向かっておっしゃったのではありませんが)


ちなみに、私自身、出し惜しみをするようなものは持っていません。
仕事も乾いた雑巾をしぼるようにしていることも多いです。


では、なぜこんなに心に引っかかるのか・・・・・・。


それは、「自分が持っているもの全てを出し切っていますか?」
と、問われているような気持ちになったから。


ふ〜む。
脚本の世界だけでなく、料理でもスポーツでも仕事でも、
出し惜しみをしていたら上達はないです。


内館牧子さんは、出し惜しみをされないからこそ、
「ひらり」や「クリスマスイブ」、「毛利元就」などなど
多くの人に支持される作品を書かかれるのでしょう。



「出し惜しみしない」は、真剣勝負といったコトバに近いものを感じます。


ちなみに前述の「出し惜しみをしてはいけない」と話をされた方の内容は、
自分のアイデアややり方を紙で出してしまったら、
取られてしまうのではいかと恐れている方へのコトバ。


「根底にある考え方、思想を深く理解していなければ、決して取られることはない。
たとえマネされても浅いものにしかならない。
もしマネをされたら、それ以上のものを出せばいい」というお話をされていました。


「出し切ることで成長がある」



【今日の1%】

出し惜しみするべからず